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山口ブログ№10[2017.1.1]

1月 2nd, 2017

新年のご挨拶を兼ねて、
ブログ№10をお送りします。

昨年は本当にお世話になりました。
皆様のおかげをもちまして、
スモールサンも創立8年目に入り、
少しずつではありますが、
着実な成長を遂げております。

本年も中小企業支援のさらなる充実に向けて、
スタッフ一同、一層努力してまいる所存です。
引き続きの御指導御協力を
心よりお願い申し上げます。

ところで、皆様は
大晦日をどのように過ごされましたか。
私は紅白歌合戦ではなく、
総合格闘技のTV番組を観ていました。
42歳のミルコ・クロコップの活躍ぶりを見て、
年齢を理由に「気力の衰え」を正当化していた
自分を反省する良い機会となりました。

そういう意味では、「新年の迎え方」として、
いい番組選択だったといえます。

私が選んだ「昨年の漢字」は“隠”

昨年12月22日、聴かれていた方も
いらっしゃると思いますが、毎週木曜日
私がコメンテイターを務めているラジオ番組、
文化放送「福井謙二グッモニ」で、
昨年の1年を象徴する「漢字」として、
「隠(イン)」という文字を選び、
その理由について少しお話をしました。

「隠れトランプ」という言葉も使われたように、
昨年は、隠れていたものが「顔」を見せ始めた年
であったように思ったからです。

トランプ勝利はメディア関係者にとっても、
多くの識者にとっても「予想外」のことでした。
これはそれまであまり表面に出てこなかった
国民の不満が、政治家の「煽り」にのせられて
「顔」をのぞかせたからにほかなりません。

私の専門分野でいえば、
昨年9月に実施された日銀の金融政策の「変更」も、
これまで隠されていたものが、ちらりと
「顔」をのぞかせた現象だったように思います。
それは、「異次元量的緩和政策」の行き詰まりが
「漏れ出た」ものだったからです。

今年の漢字は“現”
――様々な「矛盾」が表面化する年――

さて、「昨年が“隠”だとすれば、今年は“現(ゲン)”」
――私は今そんな風に思っています。
「昨年、隠れていたものが顔をのぞかせた」ことで、
「今年は、様々な矛盾が噴き出る年になる」と、
思うからです。

例えば、トランプ氏は選挙期間中、
「輸入を制限すれば、米国製造業を再興できる」と
訴えて、白人工場労働者(ブルーカラー)たちの
「隠されていた不満」を炙り出しました。

しかし、そんな政策を本当に実行に移せば、
輸入品の価格が上昇してしまい、
それを材料や部品として使う
米国製造業の競争力が
一層削がれることになりかねません。
そうなれば、
「製造業を再興しようとする政策」が
「製造業の活力をさらに奪う」という
「矛盾」に陥ります。

また、トランプ氏は大規模な公共事業を
継続的に実施して、米国経済を元気にするのだと
訴えました。
しかし、大規模な財政支出で
物価が上がり始めれば、
FRBは躊躇なく金利を引き上げて
通貨価値の安定を図ると言明しています。

金利上昇が起きれば、世界中から米国に資金が流入し、
ドル高が起きます。そうなれば、
そのドル高によって、米国製造業の競争力が
奪われることになります。
トランプ氏は支持者たちから反発を
受けることになるでしょう。
これも「矛盾」です。

日銀が抱える矛盾も表面化?!

米国で金利上昇が起きれば、そのことで、
日銀の金融政策が抱える「矛盾」も表面化する
ことになます。

すでに日銀の国債保有率は4割を超えていて、
年80兆円のペースで国債を買い上げる
「異次元緩和政策」は「限界」に近づいていると
言われています。

9月に日銀は政策変更を表明し、今後は
「年80兆円という“量”にはこだわらない、
これからは10年物国債利回りを
ゼロ%近辺にとどめることを目標にする」と
表明しましたが、
これも国債買い上げが限界に近づいてきていることを
表すものでした。

しかし、米国金利が上昇すれば、
日本の国債を売って、
米国の国債に乗り換える動きが出てきます。
その結果、日本の国債価格が低下し、
利回りが上昇することになります。
つまり、長期金利の上昇が起きます。

米国大統領選挙後、
日本ではすでにそういう動きが出てきました。
昨年末に、三菱銀行が早々と住宅ローンの
引き上げを決定したのも、
こうした国債利回りの動きを反映したものです。

こうした動きが広がれば、
「10年物国債利回りをゼロ%近辺」に抑えると
言明した日銀としても放置できません。
国債をどんどん買うことで、
国債価格の低下を防がなければならなくなります。

でも、そうすれば、
日銀の国債保有率がますます上昇し、
これ以上、国債を買い続けることが
難しくなるという「限界」が
一層速いテンポで近づいてしまいます。
これも「矛盾」です。

“変化”は“チャンス”と受け止めて

上記に加えて、
中国も過剰生産能力払拭のための「構造調整政策」と、
「景気の落ち込みを防ぐ」ための「景気対策」を
同時進行させる「矛盾」に苦しんでいます。
この「矛盾」も、
今年はより一層激しくなることが予想されます。

このように様々な「矛盾」が表面化してくると、
経済情勢も揺れ動くことになります。

昨年12月号の『スモールサンニュース』の
「景気を読む」のコーナーに、
「激動の予感 2017」という表題を付したのは
上記のような判断に基づくものです。

したがって、今年は中小企業経営者が
大変難しい「かじ取り」を強いられる局面も
やってくるかもしれません。

しかし、「矛盾」の発露は「変化」の兆しです。
そして、「変化はチャンス」でもあります。
――そんな風に前向きに受け止めて、
皆様には、今年をさらなる飛躍のきっかけにして
いただきたいと思います。

私も全力で皆様の知的サポートに努めます。
ともに頑張りましょう。

           2017.1.1山口義行筆

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