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山口ブログ№2 [2015.9.28]

9月 28th, 2015

怒りさえ覚えます―都合が悪くなったら景気判断を示さない政府

(立教大山口)

調査の結果が自分たちの意向と違っていたら、ノーコメントを決め込む。
そんな政府、皆さんは信用しますか? 私は怒りさえ覚えます。

政府が毎月「月例経済報告」というものを発表していることは皆さん御存知だと思います。
9月の「月例経済報告」が示した景気の基調判断は、「このところ一部に鈍い動きもみられるが、緩やかな回復基調が続いている」というものでした。

8月は「このところ改善テンポにばらつきもみられるが、緩やかな回復基調が続いている」というものでした。

こんな具合に、言葉遣いを微妙に変えることで、景気の変化を示すというのがこの「報告」のやり方です。とはいえ、言葉だけではわかりにくいので、政府は、その都度、景気判断を先月より「上方修正」したのか、「下方修正」したのか、あるいは「据え置き」(横這い)にしたのかを発表してきました。

「改善テンポにばらつき→一部に鈍い動き」という8月から9月への変化は、誰が見ても「下方修正」ですよね。「改善」という言葉が消え、「鈍い動き」という言葉が出てきたのですから。マスコミも「実質下方修正」と書いています。

ところが、今回に限って、政府は「前月よりも景気は弱いが、据え置きでも下方修正でもない」という意味不明のコメントをして、判断を避けてしまったのです。

こんなことは前代未聞です。一体どういうことなのでしょうか。

「(安倍晋三首相が)アベノミクス第2ステージといった直後に下方修正とはいえなかったのだろう」――日経新聞はこんな旧経済企画庁OBの言葉を載せています。そして、「経済指標が上向いたときだけ上方修正するとなれば、信頼性が損なわれかねない」と、日本経済新聞にしてはめずらしく、安倍政権を批判しています。

権力者「安倍晋三」のご機嫌を損なうようなことはやらない――権力者の顔色を伺うことばかりに神経を使う「忖度(そんたく)政治」。与党自民党からも批判が出てしかるべきですが、誰も批判しません。こんな政治が長期化すれば、いずれデータそのものも書き換えられかねません。こんな政権をまだ4割もの国民が支持しているのは、私には危険としか思えません。

もはや「緩やかな改善」という判断そのものがインチキだということを、私はくりかえし強調してきました。今回の政府の醜態ぶりは、私の指摘の正しさを物語っていると感じています。

私の主張については、
スモールサン経済解説動画「『景気を読む』を読む」(閲覧方法は事務局から会員諸氏にメールしました)
あるいは10月5日(23時~24時)のBS11「中小企業ビジネスジャーナル」をご覧下さい。

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